子どもたちや将来世代のためにも、健全な地域、地球で有り続けてほしいと言う願いは、誰しも共通な思いである。
しかし、現実に目を向けると、大量生産、大量消費、大量廃棄の構図の中で、身近なごみ問題、我国にはエネルギー資源が4%しかないことや食の問題でも60%近くを外国に頼っている。そして、もっと身近な回りを見てみると荒廃している竹林等々、多くの環境問題を抱えながらいっそう負荷を与える当時者として生活をしている。これに加えて、現在の社会は、経済や雇用の両面においても混迷を続けている最悪の状況にある。
研究会の伊勢竹鶏物語~3Rプロジェクト~は、鶏100羽のモデル事業で、環境問題や社会問題がすぐに解決に結びつくものではないものの、少しでも地域から改善していきたいと言う願いから、地域資源の活用で、竹を微粉末にしたものに消化・分解酵素を入れ、そして事業者などから出る、パン屑、野菜屑の未使用の残渣を飼料として活用し、調味を一切添加しない方法でデータ取りをしながら製造し、現在、この飼料を50%まで鶏に与えているところである。
結果、鶏舎や鶏糞は臭いがしないことや良質の卵が出来ていると言うのが本研究の特徴でもある。
その鶏糞を、当研究会が3年に亘って環境学習講座に携わっている内部地区の堀氏から無償提供された畑で、肥料作成の研究を行ってきた。地域の人々の協力と参画を得て作物づくりを進めている。いずれは、「地産地消」につなげて、消費者から消費者へ地域で環境の環をつくり、地域循環型社会をつくり、未来社会へ持続可能できるな社会に繋げていくものである。
また、四日市で有名な洋菓子店タンブラン社が当研究会の卵を使って試作した「エクレア」を大学祭で販売したところ、行列が出来るほどで、あっという間に売り切れ状態となった。
当研究会では、事業化に向けて、養鶏・飼料づくりの場面で本事業にリスクを感じない程度にまでリアリティを求めていく工夫や、本格的なビ ジネス化への可能性も高まった。そこで、研究会が培ったノウハウを地域での事業化へ提供しいく計画である。
私は、平成22年から24年までの3年間がこの事業の正念場になると考えている。そのために、循環型社会へのしっかりした「しくみ」を確立して、24年度には、その取り組みが地域で見える形に発展させなければならない。
卵や竹を使って地場産業と手を繋いで「特産品」を開発し、飼料は更に良質で100%国産品で賄えるまでの研究を重ねていく所存である。
研究会では、多くの賛同者を得ながら、スタッフ全員が、更に情熱を持ち続け前進し、地域から持続可能な社会へと繋げていく計画である。