洋菓子において、原材料の多くに卵を使用している現状で今回の卵を試験し、改めてその違いというものを感じた。
まず、1点目は"におい"、"におい"がないことに驚いた。
えさの臭いが強い卵でプリンやスポンジを焼くと、最後までそのにおいが気になるのだが、とてもシンプルにお菓子のその他の素材とマッチすると感じた。
個人的には、果実やコーヒー、紅茶など卵を加えると風味が弱まるような素材との組み合わせにもこの卵はよいのではないか期待される。
逆にカスタードクリームにおいては、通常どおりにバニラビーンズを用いると、とてもバニラが強く感じられるため、こういった香料の風味が前に出過ぎてしまうように思い、前回「さつまいものエクレア」で、カスタードクリームを仕込む際には、バニラビーンズを減らした。
次に2点目ですが、"起泡性"の違いと変化について洋菓子で最も多く使われる卵の使い方は、泡立てと、多くの他の材料との混合になると思われる。卵の持つ起泡力でそのお菓子の出来上がりを左右することがかなりありこの卵に関しては、その部分でもかなり良い結果となった。解りやすい例では、スポンジケーキを作ってみて、言葉で表現するには難しいが、卵で出来た"泡のこし"や"きめの細かさ""つや"とても良く、その中に小麦粉を加えて行く際、あまりよくない卵だと、泡がこわれやすく混ぜるほどに泡は消えてしまい出来上がりはソフトなスポンジにはならない。しかし、この卵はしっかりしているため、粉を混ぜるほどに、泡は消えて行ってしまい出来上がりはソフトなスポンジにはならない。よって、そんなに慎重にならなくてもうまく生地が出来上がのが実感である。すなわち力のある卵だなぁというのが実感である。
お菓子の材料として良い卵であり、可能性のある卵である。